実写映像はもちろん、モーショングラフィックを用いたり、アニメーションを使ったりと、現在の映像クリエイターには、さまざまな映像表現方法に簡単にアクセス出来る時代になりました。しかし、「3DCGモデル」を作るのはかなりハードルが高い世界でもあります。その3DCGを気軽にiPhoneやAndroidからPolycamと言うアプリで取り込んで、映像内で使用する方法についてお話しします。| Shunのブログ
【フォトグラメトリーPolyCam】3Dモデルが出来ない人も簡単!iPhoneカメラで3Dスキャンした3DCGモデルをafter Effects映像に取り込む方法!
もくじ
●PolyCamとは?フォトグラメトリーとは?
●PolyCamで撮影する際の注意点、フォトグラメトリー撮影のコツ
●PolyCamを使ってiPhoneで撮影したデータを書き出して、アフターエフェクツやblenderに取り込む方法
●PolyCamでキャプチャーした3DCGモデルをBlenderで綺麗にする方法
●PolyCamで3DCGモデルをスキャンしてアフターエフェクツで使う方法まとめ
What is "Polycam"? What is Photogrammetry??
◀︎Polycamとは?▶︎
まず、アプリ「Polycam」について、お話ししましょう。「Polycam」は、3DCGモデルを生成できる、3Dスキャンのアプリ(iPhoneやAndroid、ウェブ版あり)です。実際に使って見ると、驚くほどに簡単に3DCGモデルが出来てびっくりしました。
取り込んだデータは、不要な箇所をクロップしたり、様々なグラフィックソフトで使えるようなフォーマット(obj. fbx.等)やビデオでも書き出す事が出来ます。
3Dスキャンの方法は大まかに2つあって、一つはスキャンしたい対象物(オブジェクト)を様々な角度から複数枚写真撮影する「フォトグラメトリー」と呼ばれる方法と、もう一つはLiDAR(light detection and ranging=光検出と測距)と言う空間を光を使って測量するレーダーのようなセンサーで3Dスキャンをする方法です。
◀︎フォトグラメトリーとは?▶︎
フォトグラメトリーとは「写真画像から対象物の幾何学特性を得る方法」*wikipedia とあるが、つまりは撮りたい対象を様々な角度から写真で撮影する事により、3次元空間上の点を分析して3DのCGモデルを作り出す方法です。
◀︎「フォトグラメトリー」と「LiDARスキャン」での3Dスキャンの特徴▶︎
「フォトグラメトリー」は写真が撮れるスマホからなら何でも生成出来る点が利点で、小さなオブジェクトや細かいディテールを表現する3DCGモデルを作るのに適しています。
一方「LiDARスキャン」は、LiDARセンサーが搭載されているiPhone(自分のスマホがLiDARセンサーが搭載されているか調べてみてね)でしかスキャンできないですが、広い空間(例えば部屋や大きな建物等)や地面等をスキャンするのは得意です。
映画監督や映像クリエイター、VFXアーティストがアフターエフェクツやblenderなどのグラフィックソフトで3Dモデルを使いたい場合は、多くの場合「フォトグラメトリー」で撮影したデータを取り込む事が多いかと思います。一方、部屋の間取りをスキャンしたり、空間アート、不動産屋、建築関係の人などはLiDARセンサーで3dスキャンして取り込むのが良いでしょう。この記事では、映像クリエイターの為に「フォトグラメトリー」について話を進めていきます。
Polycamdだけでなく、フォトグラメトリー全般の撮影方法のコツを教えます。
<①カメラはブレないように設定してゆっくり撮る>
焦る気持ちは分かりますが、なるべくゆっくりカメラがブレないようにゆっくり1枚づつを3Dスキャンしたい対象が画面の多くの部分を占めるように撮ります。ブレたら、3Dモデルもブレます。
<②ライティングは、平面的に影が出来ないように>
3DCGモデルは、blenderやfter Effects, Cinema 4Dなどのプログラム内でライティングを出来るので撮影時はなるべく全体を影を作らない平面的な照明で綺麗に撮影してあげてください。野外で撮影するなら、曇りの日や日陰で撮影する、室内やスタジオで撮影する際は、なるべく壁や天井にライトをバウンスさせて柔らかい光を作ったり、ソフトボックスをつけた照明やディフューザーを通して光を乱反射させるなどの工夫をしてモデルを平均的にライティングしてあげましょう!
<③撮影したい対象の全ての角度から撮影する>
写真を解析して、モデルを作り上げる為、カメラから見えていない箇所はモデルに不具合が出ます。可能な限り多めにいろんなアングルからの撮影をしましょう。僕の経験からすれば、大体100枚前後撮れば良い感じのモデルが出来ます。それ以上になると、解析の時間が長くなったり、長時間撮影で疲れると撮影のミスが出てきたりとするので適度なのは100枚前後ですね。
◀︎「OBJ」で書き出して、After Effectsで映像に取り込む方法▶︎
*Adobe After Effectsとプラグイン「Element 3D」を使う方法です。その他にもやり方はあります。
①ウェブ版(やアプリ版)から、3dのエクスポートをする際に、「OBJ」で書き出して、アドビのアフターエフェクツを開きます。
②After Effectsのsolid(平面レイヤー)を追加する。
③solid(平面レイヤー)にELEMENT 3Dを追加
④ELEMENT 3Dのシーン設定に行き、PolyCamで作った3Dモデルをインポート(左上方に「インポート」ボタンがある)する。
⑤モデルの設定の中で「normalize size」にチェックを入れる。
⑥右上の「OK」を押しすと、タイムライン上に3dモデルが表示されます。
*記事で説明が分かりにくい場合は、ビデオの13分から画面を見せながら説明しています。
◀︎Blenderで取り込む方法▶︎
シンプルに、左上の「ファイル」→「インポート」→「OBJ」で、あなたの取り込んだOBJファイルを選ぶだけです。簡単ですね。
PolycamはiPhoneで3DCGモデルを簡単に出来る最強のアプリ!
PolyCamを使って3Dキャプチャーした3DCGモデルを映像内で映像クリエイターや映画監督、CGアーティストがどう使うのか?様々な可能性を引き出してくれるとても良いアプリです。そして、3Dキャプチャーは結構楽しい!みんなも是非、POLYCAMで色んな物を3Dキャプチャーして映像をより面白いものにしてみよう!
以上、Shunでした。
僕が使っているFinal Cut Pro Xのプラグイン「FCPX Titles Graphics and Transitions」
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- Shunsuke Teshima